身体表現のじかん

ダンスは生と共に。

ちょっと動きやすくなる話

ポジティブに捉えてほしいのですが、

創作ダンスを、高尚な遠い存在だと思わないでほしいなと思うのです。

振り付けが天から降ってくることもありますが、元を辿れば、何か原型となるモデルがいるはずです。

 

ということで、創作ダンスのスタートは、

真似からです。

「なにかをつくろう!」という気持ちは素晴らしいので、その気持ちは忘れないで。

一旦そばに置いておきましょ。

 

正直、私の踊りは、色んなものの継ぎ接ぎ(つぎはぎ)でできています。

誰かが踊って、素敵だなと思った一瞬の、身体の形や目線だったり。

たまたま観た美術展の、血液のようなラインだったり。

水族館で観た、無重力に遊泳するマンボウだったり。

ぜっったい、誰か・何かからのオマージュです。

私から真にオリジナルなものは発想できてません。

でも、色んなものの中から、ソレをキャッチするセンス。ソレらを継ぎ合わせる構成力は負けません。

 

ということは、あなたにも同じことが言えるのですよ。

個性の光る場所が、そういうところにあるとご理解いただきたい◎

 

実践的な話に移ります。

では、何を真似するのか。

作品を完成させることは抜きにして、面白い動きを生み出す、ということに今は主眼を置きますね。

例えば、シャドーボクシングをひとりでやってみるとします。

 

 ∧_∧
( ・ω・)=つ≡つ
(っ ≡つ=つ
`/  ) ババババ
(ノ ̄∪

 

これは、「日常の動き(ダンシングしていない動き)」から真似てみようという試みです。(これが日常という人はネネちゃんぐらいだと思いますが)

見えない敵に向かって、あなたは何者かと戦っています!!

そのまま、以下のような試みをしてみるとします。

【試み①】

ボクシングしたまま、あなたの好きなタイミングで、ターンとバットマンを2個ずつ入れてみましょう。組み合わせ自由です。

【試み②】

立ったまま地面真下に向かってボクシングしてみましょう。

【試み③】

動きすぎて披露が溜まってきたら、腕の動きは止めて体側に下ろし、頭と上半身だけしっかりボクシング続けましょう。

 

ほらこんな風に、何かの動きを真似しても、アレンジ次第でこんなにシュールな画が出来上がりましたよ。

 

もう一つ例をあげます。

もう少し真面目な話。

例えばこれ。f:id:danceliving:20200430200505j:image

ご存知。森山未來さんですね!

(長谷川寧『死刑執行中脱獄進行中』(2015)公式パンフレットより引用)

ムーブメントの一コマを切り取ったような写真が並んでいます。

結構自分でもできそうなポーズですよね。

 

さて、あなたならこの写真たちを、どのように自分の動きに落とし込みますか?

さっきのボクシングに、入れ込んでみては?

(特に右上のポーズなんて入れやすい!)

 

もっと深く見ていくなら、森山未來が実際どのように動いて、何を考えてそのようなポーズをしているのか、動きながら推測してみるのが良いです。

彼はイスラエルでダンスを学びましたが、それ以外にも様々なジャンルのダンスを経験しています。

そんな彼が紡ぎ出す、派手さの無い動き。

でも惹きつける何か。

目線?それとも指先?

それらひとつひとつを観察して、自分で再現してみる。

彼は世界がどう見えているのか、それを真似ることで、彼の息遣いを取り込みながら、体感してみるのです。

 

なんだか私は踊りたくなってきました。

このような具合に、なんでも噛み砕いて自分のものにしてしまえばいい。

喜んで真似していきましょう。