身体表現のじかん

ダンスは生と共に。

有料オンラインレッスン × 消費者

今回はきれいごと抜きにしたお話です。

ダンサーと消費者の両者の立場を考えた上で、主張させていただきます。

 

私は無料で見られるYouTubeで、プロのダンサーのレッスンをお家で受けられてHAPPYな日々です。

無料だからある程度伝える内容は少なめなのでしょうが、それでも、昔ローザンヌのダンス動画から知恵や技を盗もう盗もうとしてたときに比べたら、コンテンツが増えてすごく充実してます。

舞台動画もフルで公開するようにもなりましたね。

お金払わなくても、気軽にダンス体験出来る〜♪

これは消費者側の考え。

 

しかし、それではダンスによる収益が無くなってしまう、というのがダンサーの考え。

だから、オンラインによる有料レッスンを開講しますよね。

自然の思考であるし、ダンサーとして何かやらねばほんとに価値が無くなってしまう危機感。

すごく怖いですよね。その中で、明るく活動をなさるダンサーのハートの強さたるや、尊敬に値します。

 

しかし、消費者は、お金を払う前に、無料コンテンツとの比較を行います。

つまり、お金を払う価値あるの??という物差しで値踏みしちゃうんですよ。

とても素晴らしいダンサー講師であるのに。

受けない理由が思い当たらない、というのがダンサーの意見です。

 

では何が消費者のリミッターになっているのか。

ひとつ考えられるのは、消費者がレッスンやワークショップにお金を払う理由って、講師だけにあるんじゃ無いということです。

「消費者は、講師から知恵をもらうためだけにお金を払うのだ」とダンサー講師側は思いがちですが、他にも色んな要素にお金を払ってます。

 

その一つに、環境があります。

例えば、大きな鏡があり、どこまでも障害物のない広いフローリングがあり、音響機材も備わっている。

普通の家には、そんなレッスン場のような設備無いですよね。

私はお家バーレッスン、特にバットマンやロンデジャンをすると、必ず何かの障害物に当たります。台所や廊下でやるしか無いですから。

今までの対面レッスンであれば、指定の場所に行けば、身一つでその場に身を委ねることが出来る。身体表現に安心して集中出来る環境が整っている訳です。

その整った環境にも、消費者はお金を払っているのですよ。

 

あと、対面レッスンで大きいのが、レッスン中だけでなく、レッスン前後における参加者との交流です。面識が出来るわけです。

私も割と無口ですが、心の中で、

(コンクールで1位を取る方が、一緒にレッスンを受けている!!)

(京都造形芸術大学の子がいる!どんな授業受けてるんだろう)

(あの人の動き、すごくクセあるな、、)

等と、他者から刺激をもらっています。

それで、ふとしたタイミングで声をかけ、繋がりができていきますね。

他にも、資料やパンフレット、グッズといった物も対面におけるメリットの一つです。

 

いまダンサーが行おうとしているのはオンラインレッスンという、対面レッスンに比べ、めちゃくちゃ新しい文化です。

消費者の価値観や想像力は、それほど追いついてませんよ。

だからこそ、もっと消費者目線で情報を開示して売り込まないと、収益は上がらないと思います。

 

オンラインレッスンではやれることが少ない。その分受講料を安くしていると思うので、ダンサーが身を切っているのは承知です。ですからもっと、ダンサー側にとっても消費者側にとっても有益になるよう、バランスを取っていかなくてはと思います。

 

私もコロナ以前はこんな風に思っていませんでした。

講師が素晴らしいからお金を払うのだと。

しかし、実際こうしてお家でレッスンを受けるとなると、何か違和感がある。

対面なら喜んでレッスンを受けたいと思うダンサーでも、お家だと判断が鈍ってしまう。

しかしそこに収益のヒントがあると思いませんか?

 

消費者にとっては、金額の値は関係なく、オンラインになった途端、0→1になるだけでハードルが高くなってしまいます。

レッスンを受けたい消費者が現在失業してるなら尚更です。涙

 

消費者にお金を払わせるなら、それ相応の説明が必要です。

説明によって、消費者がオンラインレッスンを具体的にイメージできないと、財布の紐は緩みませんんんん。

以下に、現在有料オンラインレッスンに取り組まれている方に向けて、どんな説明が消費者としてほしいか、まとめます。

 

【絶対】

・どのくらいのスペースが必要なのか。

・地面はどのタイプが良いのか

 (フローリング、畳、外、どこでも良い等)

 

【おまけ】

スマホで観ても大丈夫なのか、パソコンで観たほうがいいのか

 →パソコン環境の無い方への配慮があると親切ですね

・レッスンの前例があるなら、オンラインレッスンをスクショした画像

 →ビジュアルイメージは、どんな言葉よりも多くの情報を与えてくれます

・上記に関連して、レッスンの内容

 →技術的なことではなく、レッスン全体の流れ。「オンラインレッスンってこんな感じだよ〜」という具合に

・ストレッチ以外の付加価値

 →ストレッチだけなら無料コンテンツでも事足りるため、有料だとストレッチ以外に何が得られるのか知りたい消費者心理

・受講者の受講後の感想

 →いわゆる口コミ作戦です。体験談ほど消費者に伝わる言葉は無いです

 

これらの情報を、クリッククリッククリックを繰り返し、やっと見れるページに貼るのではなく、初めに宣伝を出すSNS上に貼るとより良いと思います。

そこで興味をひかなければ、クリッククリッククリックもしませんからの。

 

 

そんなケチくさいことを言う私ですが、私でも、これらの情報無しに受けてみたいと思ったダンサー講師がいます。

コンドルズ近藤良平です。

理由は簡単。

前にワークショップを受けたことがあるからです笑

近藤さんなら、こちら側がどんな環境でレッスンを受けていても面白がってくれそうだと確信があります笑

どんな環境でも最高のパフォーマンスをやらせてくれるに違いない、とイメージできるから安心感があります。

 

このように、対面でのレッスンを受けたことがある消費者は、オンラインに移行しても付いて来やすいです。

しかし新規開拓をしていくなら、具体性を持った説明がほしいですね。

 

かく言う私も、とやかく言ってるばかりでなく、実際のオンラインレッスンを受けてみようと思います。

正直オンラインレッスンは不透明で怖いですが、飛び込んでみるのです!

 

受講したらまたまとめたいと思います。