2020年からスタートした一畳project。
スタートアップ時の記事はこちら⬇︎
このプロジェクト、このような経過を辿っています。
●2020.05.09-06.07 創作期間
●2020.07-11 論文作成(家崎)&動画編集(田中)
●2020.12.03 新潟文化祭2020公募動画採用⬇︎
【新潟県文化祭2020】Moe Iezaki & Shiho Tanaka(家﨑萌 & 田中詩穂) - YouTube
●2021.03.21-28 アトリエZen主催『エックス展 vol.11』にてプロジェクト掲示
●2021.07 国際美術教育協会主催『InSEA Baeza 2021』論文投稿予定InSEA Baeza 2021
最後のInSEA(International Society for Education through Art)、みなさんご存知でしょうか?
聖徳大学教授の仲瀬律久氏は、以下のように述べています。
『INSEAの実質的な誕生は、1951年にブリストルで開催されたユネスコ・セミナーに端を発している。これは、第2次世界大戦後初めての国際的な美術教育のセミナーであったが、この会議の出席者が中心になって美術教育の国際的な交流と協力を趣旨とする団体であるINSEAが生まれることになる。』
『INSEAは、3年に1回の世界会議における研究発表、情報交換・交流を通じて美術・工芸を通じての創造的教育の促進と振興を図つている。』
(仲瀬律久『InSEAの歴史と展望』より引用
要するに、一畳projectが国外の美術教育シーンでどのような評価を受けるのか。を見ることができる機会なのです。
もちろん国内においても、学会に論文を提出してきました。(私ではなく萌さんが)
しかし本採用には至らず、つまりは国内で公的な評価を受けられていないということ。
では国外ではどうか?ということで萌さんが挑戦してみたところ、見事採用され、論文発表するに至りました。
コロナ下で現地スペインには行けず、オンラインによる発表の形となります。
以下が発表時の動画⬇︎(英語がんばりました)
まだ学会発表を過ぎていない&海外の学会&学会初のオンラインの試み、ということで、まだ正式に受諾されている確証が得られないのがドキドキですが、この動画が学会発表当日を経て、どんな反応を得られるのかがポイントです。
実は、国内においても手応えを感じる機会がありました。
それは今年3月に開催された『エックス展 vol.11』です。
これは、新潟県内出身のアーティストによる美術作品の企画展でした。
今回、萌さんの立体作品とともにデスクトップを用意し、一畳projectの編集動画をエンドレスで放映していました。
下図がその様子です。中央にあるのが萌さんの立体作品で、右側がデスクトップです。⬇︎
この約12分ほどの動画、初めから終わりまで見ているお客様がとても多く、デスクトップと共に置いておいた、創作中の二人のメモノートにも目を通してくれました。
国内の学会においては評価が得られずとも、一般の方々は興味を持ってprojectを捉えてくれている。それがとても励みになりました。
ご興味を持ってくださったお客様の中で、保育士の方がいらっしゃいました。
保育の領域では、”遊び”を通して学びを得ることが大事なのですが、それに通ずるものがあったのだと思います。
一畳projectには、創作した末の目標や目的はありません。
あるのは変化を楽しむ心。
相手の創作シーンを見届ける。
自分のターンでは自由に表現する。
そして相手に手渡した後は、変化を柔軟に受け止める。
相手の考えを尊重し、自分の考えも蔑ろにしない。
それらは保育の教育現場では、日常的に大事とされていたことなのかもしれません。
人と接触せずに、人と関われるアート
そんなことを思いながら萌さんが始めた一畳projectは、人とコミュニケーションをする上で大事な心構えのような前提を思い出させてくれ、子どもが最初に倣うべき感覚を養ってくれるのではないでしょうか。
そんな萌さんですが、春から大学の助教授となりました。
今後も楽しみですね。