身体表現のじかん

ダンスは生と共に。

自由な表現のメカニズム2 〜踊りに寄せて〜

踊りを作り始める前に、皆さんに考えていただきたいことがあります。

「良い振り付け」とはなにか、ではないですよ笑

 

何かと言うと、

いつ、どこで、誰に向けて、踊るのかということです。

つまり、既に決定されている客観的な事実です。自分が身を置く場所にはどんな制限があるのか、確かめておく必要があります。

ここでは、そういった踊る身体を取り巻く環境を、「」と称することとします。

しかし、もし決まっていなかったとしても、具体的な「場」を作り上げて、想定しておくことをおすすめします。

デザイン的思考に近いですが、踊りを理論的に導き出せ、と言っているのではありません。

絵画で例えましょう。描き始めるためには、まずキャンバスを用意しますよね。キャンバスという土台がなければ、大抵の絵は成り立ちません。土台を捉えておかなければ、自分の表現を魅せることも出来ないと思います。

 

 

踊りの話に戻しますと、先程挙げた「場」は、さらに、以下のようにそれぞれ深堀していきます。

いつ(公演日時)

→発表する季節。一日のうち、どの時間帯か。云々

とこで(ハコ)

→屋外か屋内か。ホールか部屋か。何が置いてあるか。云々

誰に向けて(観客)

→来場の目的は何か。年齢層。ダンスが好きか。云々

 

まだまだ沢山あります。

これらをひとつずつ考えたら、土台ということを超え、相当な制限が身体上にはあることが認識できるかと思います。

踊りを作るって自由なようでいて、意外にがんじがらめってこともありますよ。

 

しかし、制限があるお陰で、想像力を膨らますことが出来ます。

この、「場」を想定する作業の中で、

あんなことやってみたいな〜、こんなことしたら面白いだろうな〜と、アイディアが浮かんでくることもあります。

それはとてもワクワクする時間なのです!

 

 

これらの作業を経て、やっと、いわゆる「踊りを作る」作業に入っていけます。

これらの場を意識しながら、制作に当たっていきましょうね。

 

 

ここで、当日になってみないとわからないものが、観客という存在です。

逆に言えば、観客については、様々に想定することが出来ます。

例えば人数。

 

もし、観客が0人だったら…!?

なんてことも、可能性がありますよね。

特に、野外イベントなど、人が立ち歩いてるような環境では大いにあり得ます。

それはとても孤独で、今すぐ踊り止めたくなるような時間なのですよ。

そんな場面で、自分は表現者としてどう振る舞えば良いのか、考えていきましょう。

それは即ち、あなたの表現したいものは何か、心の中を見つめて、向き合う作業にもなります。

その作業を通して、本番における、表現への集中力を強く保たせてくれます。

 

逆に、ものすごく観客数が多くて、拍手喝采で、アンコールまであって、、なんて考えるのも、楽しいです笑

アンコール、何を踊ります?笑

アフタートークにしましょうか?笑

冗談のようですが、こういった想定もぜひやっていきましょう!

(もちろん、観客が何人だって、アンコールもアフタートークもしていいのですからね✰)

 

 

はい。まとめます。

「場」を捉えることの効果

・どんな踊りを作っていくのかのヒントになる

・特に、観客のバリエーションは色々と考え、想定しながら作る→本番に強くなる

(イメトレになる)

 

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御拝読ありがとうございました。

次回もぜひ、読んでみてください◎